令和3年度
建築科の生徒が,若年者ものづくり競技大会(木材加工職種)に出場しました。
愛媛県武道館で実施された,『第16回 若年者ものづくり競技大会「木材加工」職種』に,建築科3年の八島 美悠さんが「東北の高校生代表」として出場しました。
大会では,全国各地から選抜された24名の選手が,磨き上げた技能を駆使しながら精一杯その力を発揮して競技に臨みました。入賞は叶いませんでしたが,完成した作品はとても素晴らしい出来映えで,東北の高校生のレベルの高さを全国に披露する良い機会になりました。
墨付け(記す作業)
鉋がけ(削る作業)
切断(ノコギリで切る作業)
ほぞ穴堀り(穴をあける作業)
組み立て(加工した材料を組み上げる作業)
競技会場(選抜された24名で競う)
競技課題(作品)
※若年者ものづくり競技大会・・・職業能力開発施設,工業高等学校等において技能を習得中の若年者(原則20歳以下)を対象に,若年技能者の裾野の拡大を図ることを目的として実施されている大会。
【感想:八島 美悠さん】
若年者ものづくり競技大会に出場したことを振り返ってみて,様々な貴重な体験ができたことを実感しています。
これまでは,杉材を使って練習してきましたが,大会では栂材で競技を実施するということで,初めて栂に触れました。栂は杉と比べると,とても重く,また硬い材料でとても加工がしにくかったです。材料を切ったり穴を掘ったり,鉋をかけたりするのはとても力が必要でした。栂を使って加工練習を始めた頃は,力がなくて木材に負けて鉋で綺麗に削れなかったり,掘るのもとても時間がかかりました。しかし,毎日何度も練習していく中で,少しずつ栂の硬さにも慣れてスムーズに加工ができるようになりました。
大会前日の事前説明で,原寸図用紙のサイズが違うことや,墨付けの線が不足していることに気づいたりと,少しハプニングはありましたが,当日は修正しながら練習通りの作業ができました。作業をして行く中で,練習で気をつけていたことや,先生や本職の大工さんに教えていただいたことを思い出しながら,一つ一つ丁寧に加工をしました。練習で上手にできていた所は,本番でも上手に加工できましたが,練習でも中々上手にできなかった所は本番でもできず,精一杯力を出しましたが入賞することはできませんでした。私は,練習の大切さを改めて実感しました。
若年者ものづくり競技大会に出場し,良い結果を残すことができず悔しい思いもありますが,とても貴重な体験をすることができました。と,同時に全国のレベルの高さを実感しました。そして,若年者ものづくり競技大会に出場するにあたり,様々なことを教えていただいた先生,大工の岡崎さん,支えてくれた家族や応援してくれた皆様には,感謝の気持ちでいっぱいです。この貴重な体験と,感謝の気持ちを忘れずに,これからの人生に生かしていけるよう頑張ります。
【感想:建築部顧問 教諭 本橋まり子】
本校では初めて若年者ものづくり競技大会「建築大工職種」へ参加する機会をいただきました。八島さんは,この大会参加に向けて3月から練習を開始し,大会まで10回以上通し練習を行いました。最初は5時間15分の標準時間を2時間以上オーバーしていましたが,1回1回の練習で目標を立てて時間を縮めていき,大会では時間内に作品を完成することができました。
技術は見聞きするだけでは身につきません。実際にやってみて,失敗をしながら学び,一歩ずつ成長していくものです。八島さんも1年生から木材加工の練習を始め,ものづくりコンテストや技能検定等に挑戦する中で,積み重ねてきました。納得のいく成績とはならなかったかもしれませんが,大会に参加し,各都道府県代表選手の木材加工の技術,そしてものづくりに向かう姿勢や意識の高さを肌で感じることができたのは,大きな財産だと思います。この経験を糧に,今後もさまざまなことに挑戦していってください。